あらすじ


 宇宙暦が産声を上げてから四〇〇年以上。人類は銀河系の半分以上にまでその生活圏を広げていた。どれだけ時を刻もうとも、人の歴史は流血の紅で書き記される。それは、記憶の下地が緑豊かな大地から深淵の広がる宇宙へと変わろうとも、決して変わらぬ事実。

 宇宙暦四二一年。五つの恒星間国家に分かれた人類は長い戦乱の中にあった。四〇〇年を超えて続く戦乱は社会に様々な弊害を産み、人々はいつ終わるともしれぬ破壊と暴力の連鎖を、ただ眺めているしかなかった。

 だが……。たった一人の人間が抱いた野望が時代の流れを一変させる。その強大な流れは人類を呑み込み、新たな歴史を刻んでいく。

 その激しい流れの中、一人の青年が台頭していく。悲しく辛い過去と荒々しくうねり続ける世界に翻弄されながらも、青年は多くの仲間達とともに戦い続けた。

 たとえ多くの血の量が流れようとも、見合った価値が存在すると信じて。